今回、紹介する選手は中京大中京高校の畔柳亨丞投手です。
最速152km/hのノビのあるストレートが魅力の本格派右腕。
中学校3年生の時には、15歳以下の日本代表に選ばれました。
今回は、そんな2021年ドラフト候補 中京大中京高校・畔柳亨丞の
をご紹介しています。
◇目次◇(該当箇所クリックで飛べます)
畔柳亨丞の経歴やプロフィール
まず、畔柳亨丞の経歴です。
詳しく見ていきましょう。
中学校3年生の時に15歳以下の日本代表に選ばれる!
小学校1年生の時から野球を始めます。
中学生になってからは、硬式野球チームのSASUKE名古屋ヤングに入りました。
中学校3年生の時に、投手として全国大会に出場し、ベスト8まで勝ち進みます。
さらに、15歳以下の日本代表に選ばれ、ワールドカップに出場しました。
試合を振り返って、「ノビのある直球が通用したのが大きかった」そうです。
初戦のオーストラリア戦では、3 1/3回を投げて無失点、6個の三振を奪います。
当時の球速は、130km/h台後半でした。
1年生秋に肘を怪我する!
高校は、中京大中京高校に進み、1年生夏の愛知県大会からベンチ入りしました。
県大会5回戦の国府高校戦では、リリーフとして1回を無失点に抑えます。
この試合で、球速142km/hをマークしました。
しかし、その後は肘を怪我し、1年生秋からは、ベンチ外となります。
2年生春の紅白戦で実戦復帰し、3回を投げて無失点に抑えます。
「秋以降は怪我でベンチを外れ、悔しかった。きょうは実戦感覚がない中で、工夫して投げることができた」そうです。
ただ、夏の大会はベンチを外れました。
2年生秋の県大会で球速を151km/hに伸ばす!
2年生秋から再びベンチ入りし、県大会では先発4試合を含む6試合に登板します。
1回戦の名古屋国際高校戦で6回1失点、12個の三振を奪います。
試合を終え、「直球がうわずっていたので、40点くらいだった。低めに変化球を決めることができて良かった」と振り返りました。
3回戦の愛産大三河高校戦では、8回を投げて1失点、この試合で球速を151km/hに伸ばします。
決勝の東邦高校戦では、9回を投げて2安打1失点、完投勝利を挙げ、優勝に貢献しました。
続く東海大会準決勝で先発すると7回コールド勝ちで完封勝利。
決勝の岐阜商戦では同点の9回からリリーフ登板し、無失点で切り抜け、チームをサヨナラ勝ちに導き、センバツ出場を決めています。
三年生選抜では圧巻の投球
三年生春のセンバツでは、初戦の専大松戸戦で12奪三振完封勝利。
東海大菅生戦でも7奪三振完封勝利を挙げます。
しかし、明豊高校戦では球速が大幅に落ち、2 1/3回で降板でチームも敗戦となります。
試合後、右肘の違和感によりノースロー調整を余儀なくされます。
三年生6月に152km/hを記録
五月末まで離脱するも、6月に行われた東海大相模との練習試合で先発し自己最速を更新する152km/hを記録します。
夏の選手権予選では、五回戦の中部春日戦で初登板、150km/hを計測し7回3失点で勝利に貢献します。
準決勝の愛工大名電戦では、序盤に足がつるアクシデントがありながらも、8回3失点の粘投を見せるもチームは敗戦となっています。
因みに、2020ドラフト候補の高橋宏斗、中山礼都は、高校の1学年上です。
畔柳亨丞の特徴や動画
続いて、畔柳亨丞の特徴です。
まず、こちらの動画を見ていきましょう。
左足を上げてタメを作っています。
テイクバックは大きくないですが、しっかりと腕が振れていました。
肘の使い方も柔らかそうです。
力のあるストレート!
力のある球を投げており、バッターが振り遅れています。
球速は最速151km/hですが、球速よりも速く感じるかもしれません。
下記の動画では球質分析を行っています。
回転数は2450rpmとMLB平均を超え、回転の質が良い為、ホップ量が多い球質となっているようです。
鋭く曲がるスライダー!
動画では、カーブやスライダーを投げています。
スライダーは打者の手元で鋭く曲がり、ストライクカウントを取れていました。
他にも、カーブやフォークを投げます。
制球力はまずまず!
動画を見ると、大体はキャッチャーの構えた所に投げられており、内外角や低めなどにも投げられていました。
一方で、高めに浮いたり、投球が抜けて明らかなボールとなった事もあったので、制球力はまずまずと言ったところです。
特徴まとめ!
特徴をもう一度まとめると
- 最速152km/hの力のあるストレート
- ホップ量が多い球質
- 変化球はスライダー、カーブ、フォーク
- 制球力はまずまず
です。
最速152km/hの力のあるストレートと鋭く曲がるスライダーなどの変化球を投げ分けて抑えます。
高校1年生秋から夏にかけて登板がなく、これまでの登板数は少なかったですが、その分、伸びしろがありそうです。
畔柳亨丞の成績
次に、畔柳亨丞の成績です。
- 21選抜:4試合、27 1/3投球回、防御率0.33、奪三振率10.21、与四死球率3.95、被安打率4.94
- 21選手権予選:3試合、21 2/3投球回、防御率1.66、奪三振率7.06、与四死球率4.57、被安打率7.48
2021年選手権予選では、怪我明けでコンディションが整わない中でも防御率1.66という安定化ある投球をしています。
選抜では、奪三振率が10を超えており、三振が奪えるタイプであることがわかります。
与四球率はやや高く、四球でランナーを出してしまう場面もありますが、被安打率は低く抑えられている。
その為、安定した防御率となっているようです。
畔柳亨丞のスカウト評価や指名の可能性
次に、畔柳亨丞のスカウト評価です。
コメントが多いので、主なコメントを紹介します。
- 巨人・榑松スカウト部次長「120%の力で130球を投げきる体力、クローザーが投げているみたい。これはすごい。なかなか高校生にいないタイプ。」「畔柳は馬力があり、直球の質と力は去年の高橋(宏斗=中日ドラフト1位)と双璧。クローザーが先発してそのまま9回まで投げきったかのようなこの日の投球は見事。」「腕の振りや投げっぷりの良さは高校生離れしている。馬力や体力もある」
- 阪神・和田豊球団本部付テクニカルアドバイザー「初回から気持ちを入れて、真っすぐで全力投球できている。球が強いし切れもある。」
- 阪神・畑山統括スカウト「力強くて投げっぷりもいい。本来ならもう少しスピードも出ると思う。将来性を感じるピッチャー」
- 阪神・筒井スカウト「ピンチになればなるほど真っ向勝負。真っすぐで押し込むハートの強さ、メンタルのタフさはすごく大事なこと。ランナーが出るほど真っすぐで押していく、強い真っすぐを投げられるのが最大の魅力。馬力もあるし、どこまで伸びていくのか楽しみな投手です。アベレージで140キロを超えてくる。常時140キロを超える投手は少ない。」「ストレートは魅力。持っているものは並の高校生ではない」
- 中日・松永幸男編成部部長「真っすぐは速いし変化球もキレがあるし、コントロールもいい。(高橋宏斗と)タイプは違うが、これからも追いかけていきたい。」
- 中日・米村明チーフスカウト「ピンチになっても冷静で、真っすぐも変化球も低めに投げていた。今大会では小園と双璧でしょう」「コースをつけるコントロールがある。投手として一番大事な冷静沈着に投げられるところは投手らしい投手だと思う。気持ちの強さがあるし、そういうのはスカウトとしてうれしい。上のランクに並ぶような投球をしてくれたと思います。」
- 中日・近藤スカウト「もっと球速も出ると思う。しっかり腕を振って投げられるので楽しみ」「コースにしっかり投げ分けられるし、球速以上に球は走っていた。変化球もいいし、一冬越えて、もっと成長すると思う。楽しみ」
- 中日・中田スカウト顧問「(畔柳について)球が高いなと思っても、力でねじ伏せていた。捕まえたと打者が思っても押されている。レベルの高い名電の打者を抑えたことを評価したい。球の力はトップクラス。上位候補に入ってくるでしょう」
- 横浜・進藤編成部長「ここというところでギアを上げている。直球は力強い。豪腕というイメージ。」
- 横浜・中川スカウト「球の強さは高校生では高いレベルにあると思う。腕を振り続けられること、力強い球を投げ続けられることが素晴らしい。いい投手という評価は変わらないです」
- 広島・松本スカウト「順調に回復している。強くて重さのある球で、気持ちを前に出して投げるタイプ。上位候補ですよね。」「スピードも出ているし、決勝に合わせて調整していくでしょう。十分、すごい球を投げている。上位候補でしょう」
- ヤクルト・伊東強化部長「速球が魅力。全球種を全力投球しているように見えた。力もスピードもある投手。」
- ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク「力みが消えて、制球力が上がっている。それでいて、球威が落ちていない。成長しているし、いい投手だと思います」
- ヤクルト・中西スカウト「球に力がある」
- ホークス・永井智浩編成育成本部本部長兼スカウト部部長「(中日ドラフト1位の)去年の高橋(宏斗)君とタイプは違うけど、非常にいい素材」
- ホークス・山本スカウト「3年春のこの時期で、これだけコンスタントに強いボールを投げられるのは素晴らしい。攻撃的な投球をするし、変化球も悪くない。ボールの強さが目立つし、この年代を代表する投手の1人だと思います。」
- ロッテ・榎アマチーフスカウト「馬力がある。中日の高橋投手に似ているタイプ。全力で腕を振っている。回転数が約2500で、プロでも上の方の数字。」「もともと力強いストレートを投げられる。いいものを見させてもらえました」
- 楽天・後関スカウト部部長「馬力系。力で最後まで押し切った。中日高橋投手にタイプは似ている。同じ高校で見ていて、意識しているのではないか。変化球の精度など、夏のさらなるレベルアップが楽しみ。」
- 西武・渡辺GM「全体のバランスは高校生トップクラス。ドラフト上位で消える素材」
- オリックス・牧田編成部副部長「右の本格派。140キロ台後半を投げられるだけの体力、腕の振りは彼の魅力。ランナーを背負ったときに向かってくる姿勢は天性のもの。伸びしろがある楽しみな投手です。」
- オリックス・下山真二スカウト「真っすぐと分かっていても打ち取れるというところがいい。見てる方が叫んでしまうような魅力のあるピッチャー。昨年の高橋宏斗に負けないぐらいの素質を持っている。」「しっかりスピンの利いた球を投げていた。空振りも取れますし、やっぱり魅力がある。順調に来ている。問題ない。」
既に多くの球団からコメントが出ています。
2020年ドラフトで中日一位指名の高橋宏斗に「負けない素質」、世代No.1と言われる小園健太と「双璧」、「上位候補」というコメントが出ており、高い評価を受けていることがわかります。
現時点で、2021ドラフトで上位指名される可能性も高く、今後の活躍次第では、一位指名もあるかもしれません。
中京大中京高校の高橋源一郎監督は、「秋のこの段階では高橋宏斗よりも球速が速い」という評価で、その一方で「速く強い直球が一番の持ち味だが、それ一辺倒では対応される。変化球の精度も大事」と今後の課題も口にしています。
15歳以下の日本代表でコーチだった徳元敏さん(元オリックスなど)は「真面目でフォームのことを凄く聞いてきた」と話しており、中学校の時から、高い意識を持って野球に取り組んでいたようです。
本人は、高橋宏斗を目標にしており、「すごい先輩。高橋さんが世代ナンバーワンを目指していたので、自分も目指したい」と上を目指しています。
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畔柳亨丞のまとめ!
以上が、中京大中京高校 畔柳亨丞の経歴、成績や特徴でした。
最速152km/hのノビのあるストレートが持ち味です。
2021ドラフトでは上位指名される可能性が高く、今後の活躍次第によっては、一位指名もあるでしょう。
まずは、選抜での活躍に期待です。
今後の動向に注目していきましょう。