今回はパークファクターについてご紹介していきたいと思います。
皆さんはパークファクターという指標をご存知でしょうか?
パークファクターはセイバーメトリクスの指標の一つで、
です。
名前は聞いたことがあるものの、その実体は知らない方も多いと思います。
なので今回はパークファクター(PF)についてご紹介。
意味やプロ野球2018年のパークファクターのデータについて詳しく説明していきます。
◇目次◇(該当箇所クリックで飛べます)
セイバーメトリクスのパークファクター(PF)とは?
パークファクターは「PF」とも略称され、セイバーメトリクスによる指標の一つです。
球場によって大きさや、グラウンドの材質が変わります。
様々な球場の特性によって選手のプレーに影響を与えているものを数値化したものです。
例えばホームランパークファクターにおいて数値が
- 1以上であればホームランがでやすい
- 1以下であればホームランが出にくい
球場であると言えます。
数字により客観的に各球場を比較できるので、非常にわかりやすいです。
セイバーメトリクスとは?
そもそもセイバーメトリクスというものは野球の分析手法のことです。
数値化することによって、今まで評価の基準になりにくかったものが明らかになり、選手の勝利への貢献度がわかるようになります。
具体的な指標は下記でまとめていますので、参考にしてみて下さい。
合せて読みたい!
セイバーメトリクスは野球で重要な指標?解説や計算式、おススメの本をご紹介!
その中でパークファクターは球場同士の比較となるので、球場によっての成績の偏りを数値化して判断材料とすることができます。
セイバーメトリクスのパークファクター(PF)の特徴
パークファクターはプレーに与える影響を数値化したものです。
これによって選手を公平に評価することができます。
例えば、セイバーメトリクスにおて総合的な勝利への貢献度を測るWARは得点のパークファクターで補正されています。
この得点パークファクターが投打において総合的に評価するのに最適です。
また、ホームランパークファクターをみてみると、どの球場がホームランが出やすいのかがわかります。
今まで漠然とあの球場ではホームランが多いな、と感じていた方は数値を見てみると一目瞭然なのでわかりやすい指標です。
セイバーメトリクスのパークファクター(PF)の種類
パークファクターはあらゆる成績を数値化しています。
ここで算出されるデータのご紹介です。
- 得点
- ホームラン
- RABIP(本塁打以外でグラウンドに飛んだ打球が安打になった割合)
- 単打
- 二塁打
- 三塁打
- 三振
- 四死球
以上がパークファクターにおいてデータ化されています。
球場によって投手の投げやすさも違ってきたりするようです。
マウンドの高さであったり土の種類によって投げやすさは変わります。
そういったプレーしてみないとわからないものも数値化できるため見ている側もわかりやすいデータです。
セイバーメトリクスのパークファクター(PF)の計算方法
本拠地で発生したプレー成績÷他球場で発生したプレー成績
というのがパークファクターの基本的な考えとなります。
この比率がパークファクターの指標となっています。
この計算式によりチームの能力はパークファクターには影響しません。
次に代表的なパークファクターについて見ていきましょう。
セイバーメトリクスのパークファクターの得点パークファクターの計算方法
{[本拠地での得点+失点]/本拠地での試合数}÷{[他球場での得点+失点]/他球場での試合数}
となっております。
文字が多いため少しわかりずらいですが、簡単に言えば
です。
この比率を得点パークファクターとなります。
得点パークファクターは選手の貢献度を指標するのに最も重要で、公平に選手を評価することができます。
セイバーメトリクスのパークファクターのホームランパークファクターの計算方法
{[本拠地での本塁打+被本塁打/本拠地での試合数}÷{[他球場での本塁打+被本塁打]/他球場での試合数}
となっております。
こちらも簡単に言えば対戦している
です。
ホームランが出やすい球場の要因はいろいろあると言われていますが、一番大きな要因はグラウンドの大きさですよね。
両翼の広さやフェンスの高さ、左中間右中間の深さが直接影響しやすいと言えます。
その他にもドームか屋外によって風があるかないのかも要因の一つです。
また、投手が投げやすい環境の場合、逆に打者が打ちづらいということからホームランパークファクターが低くなります。
2018年 プロ野球 パークファクターデータ
それでは2018年 プロ野球球場パークファクターデータの
- 得点パークファクター
- ホームランパークファクター
を紹介していきます。
2018年パ・リーグ 得点 パークファクターデータ
- メットライフドーム(西武):1.24
- 楽天生命パーク宮城(楽天):1.06
- 京セラドーム大阪(オリックス):0.97
- ZOZOマリンスタジアム(ロッテ):0.90
- 札幌ドーム(日ハム):0.89
- ヤフオクドーム(ソフトバンク):0.88
となっています。
得点しやすい球場が西武なのはわかりやすいですが、逆にソフトバンクの本拠地であるヤフオクドームが低いのが意外な結果です。
ヤフオクドームの人工芝は安打になりにくいと言われているため、「ホームランテラス」などがあるものの得点はしずらい環境だと言えます。
2018年セ・リーグ 得点 パークファクターデータ
- 明治神宮野球場(ヤクルト):1.41
- 横浜スタジアム(DeNA):1.11
- マツダスタジアム(広島):1.01
- 東京ドーム(巨人):0.95
- 甲子園球場(阪神):0.82
- ナゴヤドーム(中日):0.77
明治神宮球場が両リーグトップで得点パークファクターが高いです。
逆にナゴヤドームは両リーグで得点パークファクターが最も低くなっています。
ナゴヤドームはマウンドが投げやすい球場と言われているようです。
そのため、投手が好投しやすく得点が入りにくいロースコアな試合が多くなりこのようなデータとなります。
2018年パ・リーグ ホームラン パークファクターデータ
- メットライフドーム(西武):1.30
- 楽天生命パーク宮城(楽天):1.10
- ヤフオクドーム(ソフトバンク):1.07
- 京セラドーム大阪(オリックス):0.89
- ZOZOマリンスタジアム(ロッテ):0.88
- 札幌ドーム(日ハム):0.64
ホームランが打ちやすい球場としてメットライフドームが1位となっていますが決してグラウンドが狭いわけではありません。
しかし、西武は本拠地でホームランをよく打っています。
2018年のホームラン王である山川もメットライフドームはボールが飛ぶといっていました。
半ドーム型の球場が影響しているかもしてません。
湿気が高くなりやすく、それがボールが飛びやすくなっているのが要因という説もあったりします。
2018年セ・リーグ ホームラン パークファクターデータ
- 明治神宮野球場(ヤクルト):1.78
- 横浜スタジアム(DeNA):1.24
- 東京ドーム(巨人):1.12
- マツダスタジアム(広島):1.02
- 甲子園球場(阪神):0.60
- ナゴヤドーム(中日):0.49
やはり得点パークファクターとさほど順位が変わらない結果となっています。
東京ドームが得点では1を下回っているのにホームランでは1.12でした。
左中間右中間が狭いのでホームランが出やすいのでしょう。
ただ、人工芝では安打が出にくいのか、ヤフオクドームも同じように得点とホームランの数値に大きな差がありますね。
このように考えるとグラウンドが与えている影響の要因がどこにあるのかが見えてきます。
セイバーメトリクスのパークファクター(PF)のまとめ
以上がパークファクターについてのご紹介でした。
選手個人の成績に目がいってしまいがちですが、このように球場の影響も受けていることがわかると見方がかわります。
ナゴヤドームではホームランが出ずらいものの、中日でホームラン数が多い選手は他の球団に行ったらさらにホームラン数が伸びる可能性があるということです。
そう考えると、単純にホームラン数の比較や防御率の比較だけで選手を評価出来ないという事です。
そういった面も含めて選手を見ることができると、さらに野球が楽しくなりそうですね。
このパークファクターの数値については下記サイトから引用させて頂きました。
各年のパークファクターがまとめっているので、是非チェックしてみて下さい!