セイバーメトリクスのwRC+とは?意味や計算方法、プロ野球2018年のランキング!

今回はwRC+についてご紹介していきたいと思います。

皆さんはこのwRC+という指標はご存知でしょうか?

wRC+はセイバーメトリクスの指標の一つで、

球場の影響を排除し、どの選手が得点を多く生み出すか?を比較評価

したものです。

プロ野球が好きな方でも、この指標について詳しいことまでは知らない人が多いと思います。

そこで、今回はwRC+の意味や計算方法をご紹介。

さらに2018年プロ野球のwRC+ランキングもご紹介していきます。

セイバーメトリクスのwRC+とは?

wRC+とは「Weighted Runs Created Plus」の略称であり、セイバーメトリクスによる指標の一つです。

wRC+は打席あたりに生み出すことができる得点の多さを平均的な打者を100とした場合のパーセンテージで評価する指標として用いられています。

セイバーメトリクスとは?

セイバーメトリクスというのは野球の分析手法のことです。

データ野球の根本にあるのがセイバーメトリクスで、これにより勝利への貢献度をデータ化することができます。

セイバーメトリクスは簡単に言えば選手の価値は勝利への貢献度で決めるという考えです。

セイバーメトリクスのwRC+の特徴

wRC+によって得点を多く生み出す選手を比較評価することができます。

ここで勘違いしてはいけないので、打点とは別の考えということです。

wRC+は得点に絡むプレー=打撃評価をもとに評価します。

wOBAも打席あたりの得点を多く生み出す数値を評価できるので似たような指標です。

しかし、にはパークファクター(球場による影響)の補正が行われていないため、球場によって得点しやすさなどは考えられていません。

その点、wRC+はパークファクターを加味しているので、得点が生まれやすい球場でプレーしている選手に有利に出やすいということがないので、選手自身の評価できるんです。

また、wOBAでは平均と比べてどれだけ得点を多く生み出すなのかを知ることはできませんが、wRC+では平均を100としたパーセンテージで表されるため、リーグの平均的な打者と比較評価を簡単にすることができます。

セイバーメトリクスのwRC+の評価基準

wRC+の評価基準はどのようにランク分けされているのでしょうか?

数値によってランク分けされているのでご紹介していきます。

評価数値(%)
素晴らしい160
非常に良い140
平均以上115
平均100
平均以下80
悪い75
非常に悪い60

このような評価方法となっています。

2018年のプロ野球選手のwRC+の数値はこの基準に当てはめるのが下記です。

  • 素晴らしい

柳田(ソフトバンク)、ビシエド(中日)、ソト(横浜)、丸(広島)、山川(西武)、鈴木(広島)、吉田(オリックス)

  • 非常に良い

山田(ヤクルト)、筒香(横浜)、井上(ロッテ)、浅村(西武)、近藤(日ハム)、アルモンテ(中日)、坂本(巨人)、秋山(西武)、平田(中日)、岡本(巨人)

平均よりどれだけ得点を生み出すことができるのかという指標なので、トップクラスの選手というのはチームの主砲やクリーンナップを打つ選手が高い数値になっています。

今年リーグ優勝をした西武の選手は山川選手、浅村選手、秋山選手の数値がトップクラスです。

クリーンナップ3人が平均より得点を生み出す力が非常に良い成績を出せたのが優勝への大きな原動力になったと言えます。

セイバーメトリクスのwRC+の計算方法

wRC+の計算方法
wRC+=(パークファクターを考慮して計算したwRC÷打席)÷(リーグ総得点÷リーグ総打席)

この計算で使われている指標を一つずつ見ていきます。

セイバーメトリクスのwRC+に用いられるパークファクトリーとは?

パークファクトリーの計算方法
パークファクター=(本拠地球場での試合あたり得点+失点)÷(他球場での試合あたり得点+失点)

パークファクターとは球場の特性によって選手のプレーに与える影響を数値化したものです。

球場によって、まず大きい違いなのがグラウンドの材質です。

芝生なのか人工芝なのか、土なのかという違いがあり、他にもドームなのか屋外なのか、外野フェンスまでの距離、フェンスの高さ、さらにはマウンドの傾斜など各球場によって特徴があります。

わかりやすいのが外野フェンスまでの距離と高さでホームランの出やすさが変わってくるので、バッター有利の球場などが出てくるんです。

このように球場によってプレーに影響が出るため、球場によっての選手の成績にばらつきが出ないように補正するために使用されます。

例えば得点のパークファクターが1.10であれば、その球場は同じリーグの平均的な球場に比べて1.1倍得点が記録されやすい打者に有利な球場ということになります。

セイバーメトリクスのwRC+に用いられるwRCとは?

wRCとは「Weighted Runs Created」の略称で打者が産み出した得点を測る指標のことです。

wRCの計算方法
wRC = wRAA + (リーグ総得点数 / リーグ総打席数) × 打席数

ここで出てきたwRAAについても説明していきます。

セイバーメトリクスのwRC+に用いられるwRAAとは?

打撃評価で用いられるのがwRAAです。

wRAAの計算方法

wRAA=(wOBAーリーグのwOBA平均値) / 1.15 × 打席数

ここで出てきたwOBAについても解説いたします。

wOBAの計算方法
wOBA = {0.69×(四球-敬遠)+0.73×死球+0.92×失策出塁+0.87×単打+1.29×二塁打+1.74×三塁打+2.07×本塁打}÷(打数 + 四球 – 敬遠 + 犠飛 + 死球)

計算式を見ると複雑なのですが、簡単に言えば打者の攻撃力を測る指標のことです。

勝利への貢献度=得点の多さなので、得点要素の大きく絡んでくる、出塁に得点価値を加重して計算しています。

2018 プロ野球 wRC+ランキング

それでは2018年プロ野球のwRC+のランキングをセ・パ両リーグに分けて紹介していきます。

2018 プロ野球 wRC+ランキング パ・リーグ

1位 柳田 悠岐 207

2位 吉田 正尚 168

3位 山川 穂高 164

4位 秋山 翔吾 153

5位 近藤 健介 149

2018 プロ野球 wRC+ランキング セ・リーグ

1位 丸 佳浩 188

2位 鈴木 誠也 178

3位 D・ビシエド 172

4位 N・ソト 162

5位 山田 哲人 157

次にパークファクターを加えていない打撃評価となるwOBAのランキングです。

2018 プロ野球 wOBAランキング パ・リーグ

1位 柳田 悠岐 .470

2位 山川 穂高 .422

3位 吉田 正尚 .419

4位 秋山 翔吾 .407

5位 浅村 栄斗 .395

2018 プロ野球 wOBAランキング セ・リーグ

1位 丸 佳浩 .467

2位 鈴木 誠也 .453

3位 山田 哲人 .438

4位 N・ソト  .434

5位 D・ビシエド .432

このようにwRC+とwOBAによって順位の変動があります。

これにより、球場によってプレーに影響を与えているのがよくわかるんです。

特にヤクルトの山田哲人選手はwOBAに関してはセ・リーグで3位の成績でしたが、wRC+では5位となっています。

ヤクルトの本拠地である明治神宮は得点のパークファクターが2018年度は1.41、平均より1.4倍得点が入りやすい球場ということです。

こういった球場による評価のばらつきが生まれないためにもwRC+の評価は有効的と言えます。

合せて読みたい!

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セイバーメトリクスのwRC+とは?まとめ

以上がwRC+についてのご紹介でした。

選手の評価は現在、打率やホームランといった一般的な数値だけで判断しがちです。

しかし、wRC+のように球場の影響を盛込み、相対的に数値化することで、どの選手が本当に優秀なのか?がわかります。

一般的な数字と比較すると、球場の影響が思いのほか大きいことがわかりますよね?

そんなパークファクターの数値をまとめたHPもあるので、気になる方は下記ご覧ください。

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