2019ドラフト候補の高校生投手を見ていきましょう。
その中の一人が、菰野高校の岡林勇希投手で、最速153km/hの本格派右腕です。
広島の岡林飛翔の弟です。
今回はそんな菰野高校 岡林勇希の経歴、成績や特徴を見ていきましょう。
◇目次◇(該当箇所クリックで飛べます)
岡林勇希(菰野)の経歴は?
同世代投手に対抗心メラメラ。菰野の岡林勇希が全国区になる日も近い (2019.02.05) https://t.co/Iv4JowWfRO pic.twitter.com/SUCopf7FLe
— 高校野球ニュース (@Kokoyakyu_News) 2019年2月5日
岡林勇希の経歴です。
- 名前:岡林勇希(おかばやし ゆうき)
- 出身地:三重県松阪市
- 生年月日:2002年2月22日
- 身長:176cm
- 体重:71kg
- 投打:右投左打
- ポジション:投手
- 経歴:松阪リトル(松阪市立徳和小学校)→ 松阪梅村シニア(松阪市立久保中学校)→ 三重県立菰野高校
詳しく見ていきましょう。
岡林勇希は中学校時代に台湾の選抜チームと対戦!
兄の影響で、松阪リトルで小学校2年生の時から野球を始めます。
兄とは、広島東洋カープの岡林飛翔(つばさ)投手の事で、2学年上です。
中学生になってからは松阪梅村シニアでプレー。
中学3年生冬の台北国際大会には日本豊田選抜として出場、台湾各地区の選抜チームと対戦しました。
中学生時代から、速球派投手として有名で、高校進学の際には多くの学校から勧誘を受けます。
しかし、兄と同じ三重県立菰野(こもの)高校への進学を決めました。
岡林勇希(菰野)は2年生夏に148km/hを投げる!
菰野高校の一学年上には、広島東洋カープに入団した田中法彦(のりひこ)投手がいます。
1年生夏から控え投手としてベンチ入り、県大会初戦の英心高校戦では公式戦初登板、1回を0被安打0失点3奪三振に抑え141km/hをマークしました。
その後の2試合もリリーフとして登板、夏の県大会ベスト4に入ります。
2年春の県大会では、田中法彦に次ぐ先発2番手として出場、白山(はくさん)高校戦で1被安打12奪三振の完封勝利するなどの活躍でベスト4。
この年の6月には、18歳以下の日本代表一次候補に選ばれます。
2年生夏の県大会では、2回戦(初戦)の伊勢高校戦では2番手で投げ1回1被安打無失点148km/hを記録、打者としては5番を打ち、2本塁打4打点の活躍でした。
3回戦の白山高校戦では、先発で6回4安打無失点の好投もリリーフが打たれ逆転負け、ベスト16で終えました。
ご存知の方もいると思いますが、白山高校は2018年夏の甲子園に出場しています。
岡林勇希(菰野)は2年生秋に三重県大会優勝!
2年生秋からは、エースとなり打者としてもクリーンアップを打つようになりますます。
県大会準決勝の津田学園高校戦では、2失点10奪三振の好投で完投勝利、2019ドラフト候補でもある前佑囲斗との投げ合いを制します。
決勝も勝ち、三重県大会優勝、東海大会に出場します。
東海大会2回戦(初戦)の中京大中京高校戦では149km/hをマークしまたが、4失点11被安打6与四球でサヨナラ負けとなります。
東海大会初戦で敗退したこともあり、2019センバツ甲子園の出場はなりませんでした。
岡林勇希(菰野)は最速153キロ!
春季大会では三重大会を準優勝するも、東海大会では二回戦負けとなる。
夏の選手権予選では、準決勝で海星に打ち込まれベスト4で敗退。
紅白戦で記録した153km/hに迫る152km/hを記録する等、成長を感じた投球を披露しています。
岡林勇希(菰野)の成績
岡林勇希の成績です。
- 甲子園出場:なし(2018年秋の三重県大会優勝・東海大会出場が現時点での最高成績)
- 2018秋季大会通算(三重県大会、東海大会):5試合、38 2/3投球回、防御率1.16、被安打率5.82、奪三振率10.71、四死球率3.49
- 2019年夏予選:3試合、防御率4.15、奪三振率10.38、四死球率4.15
秋季大会では5試合に投げ、防御率1.16という素晴らしい安定感です。
注目したいのは三振数の多さです。
奪三振率が10を超えているので、非常に多くの三振を奪えるタイプの投手であることがわかります。
さらに被打率が6前後と、打たれたヒット数は少ないです。
与四球率は3.5ほどなので、制球力はまずまずといったところでしょうか。
これまで甲子園・全国大会の出場がなく、2019春の選抜も出場となりませんでした。
夏の選手権では甲子園で見たい投手ですね。
岡林勇希(菰野)の特徴や動画
岡林勇希の特徴です。
https://www.youtube.com/OMxqJoZ-MAE
上から投げ下ろす投げ方で、ダイナミックなフォームですね。
グラブを真上に大きく上げてから一気におろしていて、その時の体重移動を利用して投げています。
そしてリリースの際は、重心を低くして体が打者方向まで移動できているので、リリースポイントが打者に近いです。
岡林勇希は最速150km/hのストレート!
特徴はなんといっても最速150km/hのストレートです。
しなやかな腕の振りから投げおろすので、球に角度が付いています。
バッターが振り遅れたり、空振りしており、ストレートの勢いはかなりありそうですね。
ただ、質のバラツキは多く、シュート気味に抜けるケースも多いのが気になります。
リリースの瞬間を見ると、手首の角度が三塁方向に傾いています。
その為、通常時はマッスラ気味ということもあり、通常の投手との違いから空振りやファールが奪えているのでしょうね。
岡林勇希はプロ級の回転数!
https://www.youtube.com/LnLaPvLeQSU?t=50
上の動画ではワンシーンだけ岡林勇希の投球が出ています。
回転数を算出してみると、回転数は2400RPM前後であることがわかりました。
動画は2年生夏の頃なので、現在はもっと多い可能性が有ります。
この回転数はプロでも十分通用する回転数です。
参考に大谷翔平やMLB平均と比較してみました。
岡林勇希 | 大谷翔平 | MLB平均 | |
回転数(RPM) | 約2,400 | 2,164 | 2,262 |
球速(km/h) | 153 | 165 | 149.6 |
*大谷とMLBデータは2018年のデータ。詳しくは大谷翔平の球質分析を参照。
上記のように大谷翔平やMLB平均と比較しても優れている数値です。
大谷はストレートで空振りが奪えない事がいわれますが、要因の一つは回転数の少なさです。
それに比べ、岡林勇希は回転数も多いので、ストレートで空振りを取れるポテンシャルがあることがわかります。
ただ、球質は回転数だけでは判断できません。
一番重要なのは回転軸ですが、上の動画では正確な回転軸はわかりません。
ただ、回転の様子を見ると(1分30秒~)、マッスラ気味ではあるものの、縦回転に近い回転軸であることがわかります。
その為、揚力が大きく、浮くような伸びのあるストレートであることがわかります。
岡林勇希は多彩な変化球!
持ち球はスライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップと多彩な変化球を持っています。
先ほどの動画ではスライダーを多く投げており、投球数が多いので自信があるボールなのでしょう。
変化量が大きく三振が取れそうなので、決め球として使えそうですね。
岡林勇希は、多彩な変化球を操る本格派右腕であることがわかります。
岡林勇希(菰野)の制球力は課題あり
制球力はまだまだといった印象です。
成績の項で紹介したように与四球率は低くはありませんが、動画を見るとバラツキが多いですね。
抜け球が多く、思うように制球出来ていません。
制球力を高めてもっと安定した投球ができるかが、今後の課題となります。
岡林勇希(菰野)のバッティングは?
菰野高校ではクリーンアップを打っているので、バッティングについても見ていきましょう。
最初の動画の後半部分はバッティングを載せています。
https://www.youtube.com/watch?v=Fl8ew75mE8M?start=20
ボール気味の低めのストライクを見逃した後、真ん中高めのストレートをしっかりと振り切ってホームランにしています。
当たれば遠くに飛ばせそうですね。
因みに、2年生秋の時点で高校通算17本塁打を記録しています。
岡林勇希(菰野)の特徴まとめ!
特徴をもう一度まとめると
- しなやかな腕の振りから投げる最速150km/hのストレート
- 変化球は、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ
- 制球力は課題あり
- 長打力がある
です。
最速150km/hの勢いあるストレートが最大の特徴ですね。
スライダーを軸に、変化球も多彩なので技術力も高そうです。
若干制球力に課題はありますが、素材としては非常に面白い選手といった印象です。
今後のさらなる成長に期待したい選手です。
岡林勇希(菰野)のスカウト評価や指名の可能性
続いてスカウトの評価のご紹介です。
- ヤクルト・伊東昭光編成部長兼編成グループチーフ:「初戦で力みがあったのは仕方ない。パワーピッチャーは少ないので、これからも見ていく選手」
- 巨人・青木スカウト:「あれだけ腕を振れるのは素晴らしい。 打撃も、走る姿もいい」
- 中日・中原勇一スカウト:「菰野の岡林(勇希)はエースで4番。150キロを投げる上、足が速い。変化球を当てに行かず、フルスイングできます。外野手として育てたいですね。」
- 阪神・球団関係者:「バネがあっていい投手。高く評価しています」
現時点では4球団のコメントのみですが、評価は良いですね。
阪神はかなり高く評価しているようで、中日は野手として評価しているようです。
また、数々の好投手をプロに輩出してきた菰野の戸田監督も
「このピッチャーがドラフト上位で進めなかったら、自分はどんなピッチャーを育てればいいのかわからなくなるよ」
とコメントしています。
残念ながら2019年夏の甲子園は出場できませんでしたが、素材としては一級品と言えるでしょう。
2019年のドラフト指名は確実で、上位指名の可能性もありそうです。
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岡林勇希(菰野)のまとめ!
以上が、菰野高校 岡林勇希の経歴、成績や特徴でした。
最速153km/hの勢いあるストレートが魅力の本格派右腕です。
制球力に課題はありますが、変化球も多彩で、全体的に高レベルで、まだまだ伸びしろがありそうです。
現時点でも十分ドラフト候補でしょう。
また、グラブを真上に上げる投球フォームもかっこいいので人気も出そうです!
岡林勇希の今後の活躍や動向に注目していきましょう。
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